アイスメイクに関するTips

アイスメイクに関するTips

最近、いろいろ報道されるので、カーリング場の氷は、ジョウゴのようなもので、ぺブルという粒々をつけていることはご存じかと思います。
でも、カーリングをやるためのアイスメイクはこれだけじゃないので、どんなことをやっているかをちょっと書いてみます。

  1. 前の試合のぺブルを削る
    まず、前の試合で使ったシートをフラットな状態に戻します。BOSS(ボス)という機械で、残ったぺブルを削り取ります。

    ボスの前には、フラットなカッターが付いていて、これでぺブルの残りを削ります。
    (写真がわかりにくくてすみません。)

    これで削り取れるのは、「前回撒いたぺブル」だけなので、へこんだところを平らにすることなどはできません。
    うっかり手で触ると切れてしまうような鋭い歯が付いているのですが、
    氷を削っているうちに、歯のほうも氷に削られて、だんだん切れ味が悪くなるので、たまに研がないといけません。
    歯の部分(黒いところ)が外れるようになっていて取り換えられるのですが、
    これまた日本には削る人や道具もないので、カナダに送って、フラットに研ぎなおしをしてもらいます。

    これも鉄の塊で重いので、例によって、研ぎ代より運賃のほうが・・・

  2. ぺブルを作る

    テレビで見る機会も増えましたが、こんな道具を背中にしょって、ぺブルを巻いて、氷の表面につぶつぶをつくります。

    ジョウゴの先(ぺブルヘッドといいます)はこんな感じ。
    穴の大きさとか、数が違うヘッドが何種類かあって、LとかMとかXとか言うのがあります。
    ラージ・ミディアム・エクストラファイン。あれ?Sってのは見たことないなぁ・・・

    使っているうちに、水が穴を削ってだんだん大きくなるので、取り換えないといけないのですが、
    これまた手作業で作られているもので、結構高い。。。(そんな話ばっかり)

    細かい水を撒くと、よく滑る、よく曲がる、氷ができるようですが、ぺブルの持ちも悪くなるみたいです。
    選手権レベルだと、10エンド持たさないといけないので、アイスメーカーは、大小のぺブルを混ぜて打ったりするようです。
    (ちなみに、ぺブルは「打つ」って言います。)

    あと、水温もぺブルの作り方に影響があります。
    冷たい水だとペチャっとつぶれた感じになり、ぬるま湯だとキリっと立ったぺブルができるそうです。
    これは、温度勾配の問題だそうで、氷と温度差が無いと過冷却状態の氷になって、つぶれてから凍る、
    ぬるま湯だと、シート表面の氷と熱交換がすぐに起きて、すぐ凍るそうです。
    (氷ができるところを見たわけじゃないんで、聞いた話ですけど・・・)

  3. ニッパーで削る

    ぺブルを打った後は、そのままでは抵抗が大きすぎて石が滑りません。
    昔は、石を並べてゴロゴロ引っ張ったりしていたのですが、最近(といっても、15年ぐらい前くらいから?)は、
    ニッパーという道具でぺブルの頭を削って、滑りやすくして試合に使えるようにします。

    これも、先端にカッターが付いてますが、氷に触れるような感じで動くので、氷の頭の部分だけちょん切ります。

  4. シープスキンをかける

    ボスや、ニッパーをかけると、氷の粒が表面に残ったりするので、シープスキンをかけて氷の表面をきれいにします。
    おっと、シープスキンの写真を撮るのを忘れてた・・・

  5. 微調整

    氷に手を付けてしまったり、膝をついてしばらくすると、氷がへこんでしまったりします。
    こんな時には、ぺブルを多めに撒いて、削って平らにしたりします。

    また、天井からぽたぽた雫が落ちて、アイスに氷筍ができてしまう事があります。
    こんな時は、スクレパーを使って削り取ります。小さいのと大きいの。

  6. 大調整

    小さな調整を続けていても、しばらくすると平らじゃなくなったり、だんだん氷が厚くなり、表面が高くなってきてしまいます。
    そういう時は、冷凍機を一時的に止めて、氷を溶かし、表面の水をとり、再度凍らせます。

For all curling fans.

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